2005年度 地理部会発表要旨 |
シンポジウム: 女性の就業と生活空間の多様性 -地理学の視点-
趣旨:
男女雇用機会均等法の施行以来,女性の就業への関心が急速に高まった が,雇用状態や就業形態が注目されがちで,女性就業と生活空間との関連性に
目が向けられることは少なかった。しかし,社会に進出した女性たちの中には, 長時間勤務のために帰宅時間が深夜に及ぶ人たちも少なくなく,それが彼女た ちの生活空間や居住地選択にも影響を及ぼしている。また,労働のアウトソー
シングの増加は女性の雇用形態に深刻な影響を与え,低賃金で不安定な雇用が 増加して「貧困の女性化」も進行している。最近のパート労働,派遣労働,契 約労働の増加は女性だけに限定されるわけではないものの,その大部分を女性
労働が担っていることは確かである。そのような女性を取り巻く就業環境の変 化に呼応して,未婚化・少子化,離別世帯の増加など世帯の多様化も進行し, 社会環境や生活環境も劇的に変化している。本シンポジウムでは,女性の就業
と生活空間の多様性を地理学の立場から検討することを目的とする。
参加費:500円 (学部学生は無料) オーガナイザー:神谷浩夫(金沢大学)・若林芳樹(首都大学東京)・由井義通(広島大学)
プログラム
趣旨説明 10時~10時10分 由井義通(広島大学)
報告 ・10時10分~10時35分
中澤高志(大分大学) 多様化するライフコースと職住関係―晩婚化・非婚化との関係を中心に
・10時35分~11時
武田祐子(首都大学東京) 女性のライフスタイルからみたジェンダー・システムの地域差の要因分析 ・11時~11時25分
加茂浩靖・由井義通(広島大学) 農村地域における女性の就業と生活-東広島市を事例として- ・11時25分~11時50分
Thang Leng Leng(シンガポール国立大学) シンガポールで働く日本人女性
・昼食 11時50分~13時
・13時~13時25分
木下礼子(神奈川県立和泉高校) 高卒女性フリーターのジョブサーチと生活 ・13時25分~13時50分
伊藤修一(駒澤大学・非) 既婚女性のジョブサーチとパーソナルネットワーク-千葉ニュータウンの事例- ・13時50分~14時15分
川瀬正樹(広島修道大学) 郊外住民の就業地選択と通勤行動の性差-千葉県北西部の事例を中心として- ・14時15分~14時40分
吉田容子(奈良女子大学) 郊外空間のジェンダー化 ・14時40分~15時05分
若林芳樹(首都大学東京) 大都市圏における働く女性の子育て支援をめぐる諸問題 ・休憩 15時05分~15時30分 コメント ・15時30分~15時40分 影山穂波(椙山女学園大学) ・15時40分~15時50分 瀧 敦弘(広島大学) ・15時50分~16時 川口太郎(明治大学) 総合討論 16時~17時 司会:神谷浩夫(金沢大学)
懇親会:18時~20時 会場:ひろしま国際ホテル(広島市中区立町3-13) 会費:5000円
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